Aフライトを達成したことで、ひとつの目標を叶えた。
だけど、不思議とそこで満足することはなかった。
次はプロ試験に合格したい。
そう思うようになっていた。
プロとして活動したいわけではない。
自分がどこまで通用するのか、一度挑戦してみたかった。
仕事は相変わらず忙しく、出張も多かった。
それでも、時間ができると近くにダーツができる店はないか探していた。
知らない土地へ行くたびに、新しいダーツ店を見つける。
初めて訪れる県なら、その場所でしか手に入らない「ご当地ファンダーツ」を集めるのも楽しみの一つだった。
出張という仕事の時間に、小さな楽しみが増えていった。
店では一人で投げることがほとんどだった。
たまに声をかけられて対戦することもあったけれど、基本は黙々と練習を続けていた。
もっと上手くなりたい。
そして、それ以上に思っていたことがある。
下手になりたくなかった。
積み重ねてきた努力を無駄にしたくなかった。
だから、投げられる日は自然とダーツへ向かっていた。
その頃の私は、ダーツが生活の一部になっていた。
目標があるだけで、毎日に張り合いがあった。
レーティングも少しずつ上がり、最高で12まで到達した。
以前の自分では考えられないくらい成長していた。
それでも、自分ではまだまだだと思っていた。
もっと上には上がいる。
プロ試験に合格するには、この程度では足りない。
そう感じていた。
そんなある時から、少しずつ違和感が生まれた。
今まで自然に投げられていたフォームが分からなくなってきた。
思ったようにダーツが飛ばない。
レーティングも少しずつ下がり始めた。
「プロ試験って、思っていた以上に壁が高いな。」
そんなことを感じ始めていた。
それでも、この頃の私は、まだ諦めるなんて考えていなかった。
もう少し頑張れば届く。
そう信じて、ダーツを投げ続けていた。

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